中国・舟山において、2017年8月4日に、アジア・クリーン・キャピタル(英語表記はAsia Clean Capital、頭文字をとって「ACC」という)の出資で建設された常石舟山造船所屋上太陽光発電所はこのほど、グリッド接続・発電に成功しました。同分散型太陽光発電システムの総設備容量は19メガワットに上り、常石グループ(舟山)有限公司(Tsuneishi)の主幹工場の屋根に取り付けられています。同プロジェクトは「自社発電・自社用、余剰電力はグリッドネットに供給」のモデルを用いるため、造船所の日常生産と事務に必要とする電力を賄います。
世界最大規模の屋根一体型太陽光発電所(BIPV)――造船工場の固有屋根は耐用年数を超過したため、屋根一体型太陽光発電案が最適な選択肢になりました。期限切れの屋根材料は強化ガラスで密封・包装された太陽電池モジュールに取り換えられ、アルミニウム合金製ホルダーとステンレス製固定具によって全体のBIPV屋根構造が手軽になり、しかも長持ちとなり、丈夫となっています。太陽電池モジュールは発電できる一方、工場の屋根としても使えるので、建築物の全体的な製造コストを削減しました。発電所は7万2千以上の太陽電池モジュールを使用し、そのライフサイクル全般における総発電量は4.18億キロワットに達しています。同プロジェクトは世界最大規模の屋根一体型太陽光発電所だけでなく、舟山市に誇れる最大規模の分散型太陽光発電所でもあります。
世界最大規模の太陽光発電造船所プロジェクト――1903年に創設され、100年以上の歴史を持つ日本常石グループは、造船の数では世界6位の座についた造船会社です。現在、同グループは四ヵ所の造船所を擁し、それぞれは日本では2ヵ所、フィリピンでは1ヵ所、中国舟山では1ヵ所となっています。日本常石造船株式会社の中国における主幹企業として、常石グループ(舟山)造船有限公司は2003年に設立されました。プロジェクトがグリッド接続・発電に成功したことは、世界最大規模の太陽光発電造船所プロジェクトの正式稼働を示しました。
長期提携に基づくACC契約型エネルギー管理モデル――太陽光発電所は契約型エネルギー管理モデルを用いており、ACCによる全額投資、長期保有、設計施工及び運営・メンテナンスを実施しています。太陽光発電システムによって得られるグリーン電力は約定価格で常石グループへ売買されます。ユーザーとして、常石グループは前期投資をゼロに抑え、ランニングコストを継続的に減らすことができます。
生態環境の改善につながるグリーンエネルギー――太陽光発電システムは無料の太陽エネルギーでクリーン電力を生成することで、持続的な経済効果のほか、現地の生態環境の改善にも大いに繋がります。伝統的な石炭火力発電所に比べ、ACC太陽光発電システムは25年間にわたるライフサイクル全般において、年間平均約5841トンの標準炭、13,907トンの二酸化炭素排出量、8.72トンの二酸化硫黄排出量、7.97トンの窒素酸化物排出量、2.57万トンの水消費量を減らすことができます。